今回は、ご家族への負担を減らしたい一心で、勇気を出して一人暮らしへの道を選んだ30代女性・Aさんの事例をご紹介します。
「私が、お母さんを苦しめている」
先日、私たちにご相談くださったAさんは、精神障害を抱える30代の女性です。現在は働くことが難しく、収入は障害年金のみ。60代のお母様、日雇いのお仕事で家計を支えるお兄様との3人で、お母様が所有する家に暮らしていました。また、別居している妹さんは、不用品処分業のお仕事で忙しく、頼ることも難しい状況にあります。
Aさんのお母様は、毎日懸命に働いていらっしゃいます。 平日は派遣で工事現場のお仕事へ。そしてお休みの日には、キッチンカーでたこ焼きを焼き、少しでも家計の足しにと休む間もなく働いています。ご自宅にはまだ住宅ローンも残っており、その肩には大きな重圧がかかっている状態でした。
「私が働けないから、お母さんに無理をさせてしまっている…」
心優しいAさんは、ご自身の障害年金だけでは生活が厳しく、お母様に頼らざるを得ない現状に、ずっと胸を痛めていました。
自立への決意と「見えない壁」
「お母さんの負担を、少しでも軽くしたい。そのために、私は一人暮らしをしたいんです。」
Aさんは、固い決意を胸に、自立するための一歩を踏み出そうとしました。 しかし、その前には大きな壁が立ちはだかります。
不動産屋さんを何件も回りましたが、 「精神障害があること」 「収入が障害年金だけであること」 を理由に、ことごとく入居を断られてしまったのです。
Aさんが、社会から断絶されたような、途方もない孤独感に苛まれたことは想像に難くありません。
私たち、居住支援法人ができること
Aさんが一人暮らしを実現し、経済的な自立を果たすためには、まず生活保護制度の利用が不可欠です。私たちは、Aさんが安心して新生活をスタートできるよう、以下のステップで支援を開始しました。
- 生活保護申請の準備
まずは、生活保護を申請するために、一時的に救護施設としての役割を持つシェルターへ転居する計画を立てました。
- シェルターへの転居サポート(2025年9月)
先日、私たちがAさんのお引越しをお手伝いさせていただきました。新しい環境への
歩みは、誰にとっても不安がつきものです。荷物を運びながら、これからの生活のこと、Aさんが希望される暮らしのイメージなどをじっくりと伺い、具体的な計画を一緒に練りました。
希望の光へ、二人三脚で
(写真:シェルターへの荷物を運びながら、今後の生活について打ち合わせを行いました)
シェルターでの生活は、Aさんが心身を落ち着け、次のステップに進むための大切な準備期間です。私たちはこれからもAさんに寄り添い、生活保護の申請手続きがスムーズに進むよう、行政との連携を密に行っていきます。
そして、無事に受給が決定した暁には、Aさんのご希望に沿ったお部屋を一緒に探し、安心して「ただいま」と言える新しい住まいを見つけるのが私たちの役目です。
Aさんの「お母さんを楽にさせてあげたい」という優しい想いを、必ず形にしたい。 私たちは、その一心でサポートを続けてまいります。
めーぷるハウスでは、Aさんのように、障害やご病気、ご収入のことなど、様々な理由で住まい探しにお困りの方からのご相談を随時お受けしております。
「どこに相談すればいいか分からない」 「もう無理かもしれない…」
そう諦めてしまう前に、どうか一度、私たちにお話を聞かせてください。 あなたに寄り添い、一緒に解決の道を探す専門家がここにいます。

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